[第19回公開ワークショップ/社会・文化ユニット第13回研究会]Idah Makukule「Ukuringa’-The role of language in negotiating male youth township identity on a south African street corner」(第25回Kyoto University African Studies Seminar (KUASS)との共催、2014年05月26日開催)

日 時:2014年5月26日(月) 15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階第一小会議室

プログラム

演題:Ukuringa’-The role of language in negotiating male youth township identity on a south African street corner
演者:Idah Makukule(南アフリカ・パブリックアフェアーズ研究所、研究員)

要旨

発表要旨(PDF)

[社会・文化ユニット第13回研究会/第19回公開ワークショップ]Idah Makukule「Ukuringa’-The role of language in negotiating male youth township identity on a south African street corner」(第25回Kyoto University African Studies Seminar (KUASS)との共催、2014年05月26日開催)

日 時:2014年5月26日(月) 15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階第一小会議室

プログラム

演題:Ukuringa’-The role of language in negotiating male youth township identity on a south African street corner
演者:Idah Makukule(南アフリカ・パブリックアフェアーズ研究所、研究員)

要旨

発表要旨(PDF)

[第18回公開ワークショップ/西アフリカ・クラスター第7回研究会]Murray Last「The Dilemma in Being an Islamic Radical in Northern Nigeria: Whether Non-violent or Violent」(第24回Kyoto University African Studies Seminar (KUASS)との共催、2014年05月20日開催)

日 時:2014年5月20日(火) 15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階318号室

プログラム

演題:The Dilemma in Being an Islamic Radical in Northern Nigeria: Whether Non-violent or Violent
演者:Prof. Murray Last (ロンドン大学名誉教授)

要 旨

PDF >>

[西アフリカ・クラスター第7回研究会/第18回公開ワークショップ]Murray Last「The Dilemma in Being an Islamic Radical in Northern Nigeria: Whether Non-violent or Violent」(第24回Kyoto University African Studies Seminar (KUASS)との共催、2014年05月20日開催)

日 時:2014年5月20日(火) 15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階318号室

プログラム

演題:The Dilemma in Being an Islamic Radical in Northern Nigeria: Whether Non-violent or Violent
演者:Prof. Murray Last (ロンドン大学名誉教授)

要 旨

PDF >>

[第4回アフリカの紛争と共生セミナー]「2013年度海外派遣者報告会」(2014年05月10日開催)

日時:2014年5月10日(土) 15:30-17:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階セミナー室

プログラム

15:30-16:00
片山夏紀(東京大学大学院)
「ジェノサイド後ルワンダにおける被害者と加害者の「和解の実践」に関する研究」

16:00-16:30
山本めゆ(京都大学大学院)
「ポスト・アパルトヘイト期南アフリカにおける人種カテゴリー再編成―華人の「黒人性」をめぐる裁判を手がかりに」

16:30-17:00
池永伊奈生(神戸大学大学院)
「セネガル路上商人の二つの社会的結合―信者講(ダヒラ)と同業者組合」

要旨

ジェノサイド後ルワンダにおける被害者と加害者の「和解の実践」に関する研究
片山夏紀(東京大学大学院)

本研究の目的は、1994年に勃発し、犠牲者50~100万人と推定されるルワンダ・ジェノサイドの被害者と加害者が、ジェノサイド後、同じ村でいかに共生してきたのかを、彼/彼女らの語りの解釈から、解き明かすことである。

本研究は、被害者と加害者の共生に大きな影響を与えたものとして、2002~2012 年にルワンダのローカルレベルで実施された、ジェノサイド罪を裁く法廷ガチャチャ(Gacaca)に着目する。現地調査では、ルワンダ西部州ンゴロレロ(Ngororero)県、ンゴロレロ市N村を調査地とし、ジェノサイドで家族を亡くした被害者と、被害者の家族を殺害してガチャチャで裁かれ、服役と公益労働を終えて故郷に戻ってきた加害者双方に聞き取りを実施した。調査で明らかになったのは、日常生活において双方が積極的に交流する機会をもうけていること、すなわち「和解」を実践している状況であった。和解の実践を通じて、被害者と加害者がいかに関係を修復してきたのか、また、ガチャチャが和解の実践にどのような影響を及ぼしているのか。彼/彼女らの語りから、個人の人格だけでなく、ルワンダという社会の諸相を反映した、共生のための「潜在力」を検討する。

ポスト・アパルトヘイト期南アフリカにおける人種カテゴリー再編成
―華人の「黒人性」をめぐる裁判を手がかりに―
山本めゆ(京都大学大学院)

南アフリカでは民主化後、歴史的に不利な立場に置かれた人びとを優遇し格差是正を目指す政策が導入されたが、華人はその恩恵を受けることができなかった。これを不服とする華人コミュニティは運動を展開し、2008年に最高裁においてアパルトヘイト期の華人が「歴史的に不利益を被ったblack people」であったと公式に認定された。この判断に対しアフリカ人社会は強い反発を示した。華人はアパルトヘイト後期には「名誉白人」であったという「集合的記憶」が共有されていたこともその一因である。

1970年代後半以降、武装闘争や大規模な抗議活動が激化するなか、華人はそれらとは距離を置き白人社会との交渉を重視する傾向にあった。今回実施したインタビュー調査から明らかになったのは、華人たちはそれを「文明の高さ」として提示しているということである。すなわち、武力に訴えるよりも対話と相互理解こそが「文明的」であるという説明である。しかしこのような主張は、開放闘争の主要な担い手であったアフリカ系住民を「野蛮」の側に位置づけ、人種隔離政策の比類なき野蛮さへ批判性を喪失するという転倒を招きかねない。

裁判をめぐる一連の騒動は、南アフリカにおける白人性/黒人性には多様な解釈が存在することをあらためて示唆するものとなった。またかつて華人コミュニティが採用した「文明的」な抗議手法がアフリカ系住民の眼には白人社会への同調と映り、今日に至る反感の源泉となっているのだとすれば、人種政策への抗議をめぐるアプローチの違いは実証的にも理論的にもさらなる精査が求められるだろう。

セネガル路上商人の二つの社会的結合―信者講(ダヒラ)と同業者組合
池永伊奈生(神戸大学大学院)

2007年、セネガルの首都ダカール市で、路上商人らは当局による公道からの退去命令に反発し、大規模な暴動を起こした。それに対し政府は即座に退去命令を撤回し、暴動は終息した。なぜ政府は、政治的にあまり重要と思われない路上商人の要求に対し全面的に譲歩し、そしてなぜ路上商人もまた即時に暴動を停止したのか。

セネガルの特質の1つとして挙げられるのは国民の大半がイスラームの教団に所属していることである。路上商人セクターは、特に若年層の雇用を吸収しつつソーシャルセーフティーネットとしても機能しているが、彼らの多くはムリッド教団に属しており、社会的相互扶助の機能も持つ信者講(ダヒラ)によって集団化されている。

現地調査によって得た路上商人組合代表らの証言から見えてくる暴動の背景は、路上商人の当局に対する積年の不満、ワッド大統領(当時)の判断ミスと強権的な行動、そして食料価格高騰やエネルギー供給不足といった経済社会的困難の増大であった。それらの不安定要因がぶつかり合い、暴動が生じ、そして政府が認識を改め完全に譲歩、そして担当機関を創設するに至り、路上商人等の不満は解消し、再び暴動は繰り返されなかったと考えられる。

しかしながら、路上商人もまた即時に暴動を停止できたのはどうしてなのかという疑問が残る。今次調査では明らかにできなかったが、路上商人たちは何らかの共通基盤によってもともと組織化されていたと考えられ、その1つがムーリッド教団である蓋然性は高いと思われる。

[第16回全体会議]「今後の研究方針の打ち合わせ」(2014年5月10日開催)

日 時:2014年5月10日(土)13:30〜15:00
場 所:京都大学稲盛記念館3階中会議室

今回の全体会議では、各ユニットとクラスターの世話人と副世話人があつまり、今後の研究活動について、以下の議論をおこなった。

議題

(1) 成果の出版について
研究成果を、和文、英文でどのように出版するかを検討した。

(2) 今年度の全体会議、ユニット研究会、クラスター研究会、公開講演会の予定について

(3) 2014年12月に開催予定の「ヤウンデ・フォーラム」の進捗状況の報告
フォーラムのタイトル、キーノート・スピーカー、スピーカー、日程(発表者のタイトル、アブストラクト、ペーパーの提出予定など)を確認した

(4) 2013年10月に開催した国際シンポジウムの成果出版の進行状況
成果は、African Study Monographs の Supplementary Issue として今年度中に出版する。

(5) 2014年5月24~25日に京都で開催される日本アフリカ学会における成果発表について
フォーラムのかたちでセッションを組み、太田、遠藤、高橋、山越、松田がそれぞれのユニットの研究成果を報告し、永原陽子さんにコメントをしていただく。

(6) 国際人類学・民族学連合(International Union of Anthropological and ethnological Sciences: IUAES)における成果報告について
2014年5月16日に、松田素二さんが企画したパネルによって、IUAESの中間会議にて、本プロジェクトの成果を報告する。

(7) 本プロジェクトで招へいしたMurray Last さん(5月20日開催)、Idah M. Makukuleさん(5月26日開催)を講師とした研究会の開催について

(8) 「第4回アフリカ紛争・共生セミナー」(2013年度に派遣した若手研究者の報告会)について

[第4回公開講演会/第15回全体会議]「現代アフリカにおける紛争のリアリティ」(2014年3月29日開催)

日 時:2014年3月29日(土)15:00~17:00

場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室

要旨

現代アフリカは、さまざまな紛争をどのように終結させ、紛争によって解体・疲弊した社会をいかに再建してゆくのか、という困難な課題に直面しています。この講演会では、報道界と学界で活躍されているお二人に、この問題について講演していただきました。

プログラム

15:00-15:30
「アフリカの紛争の現在(いま)を考えるために」 遠藤貢(東京大学)
15:30-16:30
「アフリカの紛争現場で感じた、つながること、つなげて考えることの大切さ」 高尾具成(毎日新聞社)
16:30-17:00 質疑応答

[第15回全体会議/第4回公開講演会]「現代アフリカにおける紛争のリアリティ」(2014年3月29日開催)

日 時:2014年3月29日(土)15:00~17:00

場 所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室

要旨

現代アフリカは、さまざまな紛争をどのように終結させ、紛争によって解体・疲弊した社会をいかに再建してゆくのか、という困難な課題に直面しています。この講演会では、報道界と学界で活躍されているお二人に、この問題について講演していただきました。

プログラム

15:00-15:30
「アフリカの紛争の現在(いま)を考えるために」 遠藤貢(東京大学)
15:30-16:30
「アフリカの紛争現場で感じた、つながること、つなげて考えることの大切さ」 高尾具成(毎日新聞社)
16:30-17:00 質疑応答

[西アフリカ・クラスター第6回研究会]宮田寛章「子どもの妖術師問題」(2014年01月25日開催)

日時:2014年1月25日(土)10:30~12:00
場所:稲盛財団記念館3階小会議室1

プログラム

「子どもの妖術師問題」
宮田寛章(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科) 

報告

アフリカ各地における妖術告発の現状について報告したうえで、子供の妖術師に関する先行研究を紹介した。子供のもつ自己顕示癖と物質的な動機から心理学的に分析した研究、妖術告発を長老の権威の低下を分析した研究がある。妖術の脅威に適切に対処しなければならないが、旧来の方法では対処できなくなっている。近年の妖術告発や妖術師撲滅運動は暴力をともなうし烈なものになっている。ナイジェリア南部のナイジャーデルタに居住するエフィック・イビビオ社会では、妖術(Ifot)は、死を含むあらゆる害悪をもたらす不可思議な超自然的な力であり、黒妖術と無害な白妖術がある。妖術師は生得的なもので、霊的な力をもつ。妖術への対処としては、伝統医、スピリチュアリスト、ペンテコスタル教会の牧師に相談し、問題が妖術である場合には、妖術師を断定してもらう。その人物への自白、妖術を解いてもらうよう頼み、特殊な薬を飲ませて、妖術師であるか判断する。その判断によって、妖術師とされた人物が殺害されることもある。子供の妖術師問題は2000年前後から増加しはじめ、告発される対象が老人から子供へと変化した。その背景には、妖術告発をするペンテコスタル教会の牧師やスピチュアリストといった宗教的職能者の存在がある。子供の妖術告発は、子供の両親や近親者によってなされるという特徴があり、子供の再統合に対する取り組みの現状と課題という興味深い報告がなされた。
(大山修一)

[社会・文化ユニット第12回研究会]早川真悠「渾沌を生きる:ジンバブエのハイパー・インフレーション下における混乱と秩序」(2014年01月25日開催)

日 時:2014年1月25日(土)10:30~12:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階、小会議室2

プログラム

早川真悠(大阪大学)
「渾沌を生きる:ジンバブエのハイパー・インフレーション下における混乱と秩序」

報告

ジンバブエでは、2001年から法定通貨(ジンバブエ・ドル:ZD)のインフレーション率が年間100%を超え始め、2008~2009年には未曾有のハイパー・インフレーションを経験した。そのピーク時には物価が一日で2倍になるほどだったという。本報告は、2007年2月~2009年3月まで、この激動の時期に首都ハラレで人類学的なフィールドワークをおこなった早川が、人びとが混乱の時期に、どのように対処して生き抜いたのかを詳細に報告し、分析したものである。

本報告で早川は、1980年の独立以来のジンバブエ近代史を概観したあと、「ジンバブエ危機」に対する先行研究を紹介し、ローカルな住民の視点にもとづく実証的な研究があまりなされてこなかったことを指摘した。早川は、経済学の知見にもとづいて「ハイパー・インフレーション」を月率50%以上と定義する。2007年3月~2009年1月の1年11ヵ月間がこの時期にあたる。この時期には、つぎつぎにZDのデノミネーションがおこなわれ、2008年8月にはゼロが10個、2009年2月にはゼロが12個、削除されている。2008年におこなわれた大統領選挙ではさまざまな不正と暴力行為が続発し、多くの西欧諸国が経済制裁措置を発動するとともに、それまでZD紙幣を作成していたドイツの会社が印刷を停止した。市場に流通する現金が不足し、銀行口座から1日に引き出せる現金の上限額が極端に低く設定されたため、給料生活者は月給を手にできず、そのあいだにZDの価値は急速に下落していった。そのため、現金と銀行口座にある預金とのあいだで貨幣価値の差が発生するという異様な事態もおこった。2008年からは外貨が支払い手段としてもちいられ始め、2009年2月には公式に外貨化が実施されて、インフレーションは収束した。

このような不確実で流動的な状況に対して、人びとは経済生活の大部分をインフォーマル化し、創意工夫をこらして対処した。そのひとつが「カネを燃やす」というやり方である。まず、外貨をZDに両替するとき、ZDを現金で受け取らず、銀行振り込みにしてもらうことで高いレートで両替する。そしてその預金をATMで引き出して多額のZDを入手する。そしてそのZDを外貨に両替したあと、ふたたび最初の手順にもどるのである。

もちろんこうした対処法が有効なのは短期間にすぎない。「カネを燃やす」方法は、わずかに半年間ほどで破綻した。人びとはひたすらに貨幣と商品をすばやく回転させるなど、渾沌のなかでも多元的な選択肢を創出してこの危機をしのいだのである。(太田至)