「アフリカ潜在力」 シリーズ全五巻(京都大学学術出版会)
シリーズ総編集:太田 至
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第1巻「紛争をおさめる文化ー不完全性とブリコラージュの実践ー」
松田素二・平野(野元)美佐(編)
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2112&lang=jp【推薦】立本成文氏(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 機構長)
ダイナミックで融通無碍な文化の技法——アフリカ潜在力!! 紛争の国々アフリカで醸成された新しい紛争解決の智慧が明らかになった。アフリカ社会の生の現場での,日本人とアフリカ人研究者との5年にわたる知的格闘の成果がここにある。危機に瀕している人間文化を見直し,これからのあるべき生き方に指針を与える人類の共通財産である。 第2巻「武力紛争を越えるーせめぎ合う制度と戦略のなかでー」
遠藤 貢(編)
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2113&lang=jp【推薦】長有紀枝氏(立教大学社会学部教授・認定NPO法人難民を助ける会理事長)
アフリカの,特に紛争地に関わったことがある人なら誰でも抱くであろう相反する二つの感情がある。深い絶望と希望と。アフリカ研究の第一線に関わってきた執筆陣による本書には,その絶望を絶望に終わらせず,希望を単なるスローガンにしないための処方箋が詰まっている。抑止と対応と紛争後という3段階における知恵——アフリカの人々が培ってきた「潜在力」を知る必読の書である。第3巻「開発と共生のはざまでー国家と市場の変動を生きるー」
高橋基樹・大山修一(編)
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2114&lang=jp【推薦】松本仁一氏(元朝日新聞編集委員)
貧困や混乱が続くアフリカ。一方で資源ブームと成長のイメージで語られるアフリカ。両極端の状況のなかで人びとはどのような暮らしを送っているのか。本書が生きいきと描き出しているのは,変化に直面するアフリカの人びとが開発の担い手となり,ときには格差の拡大をくいとめ,しなやかに共生を実現しようとする姿である。第4巻「争わないための生業実践ー生態資源と人びとの関わりー」
重田眞義・伊谷樹一(編)
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2115&lang=jp【推薦】嘉田由紀子氏(前 滋賀県知事,びわこ成蹊スポーツ大学 学長)
1970年代,学生時代に女ひとりアフリカへ向かった私は,タンザニアの農村に暮らしていて,ここは何と安全で平和なんだろうと感銘を受けました。1990年代以降は毎年,マラウィ湖畔の村で住み込み調査をしました。アフリカでは紛争イメージが先行していますが,その暮らしの深部にせまれば,40年前に私の抱いた感慨が正しかったことを本書は教えてくれます。第5巻「自然は誰のものかー住民参加型保全の逆説を乗り越えるー」
山越 言・目黒紀夫・佐藤 哲(編)
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2116&lang=jp【推薦】山極壽一氏(京都大学 総長)
自然保護とは,自然に関する実像と虚像をめぐる人々の合意と了解のプロセスである。その主役は地元住民であり,その実践にはあらゆる学問を総動員する必要がある。それを私はゴリラの研究と保護から学んだ。本書はアフリカを舞台に今展開している保護の実態をフィールドワーカーの視点から語る最良の報告と新たな提案である。