日時:2019年11月2日(土)12:30~14:30
場所:京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科稲盛記念館3階小会議室1
今回の班会議では、班員の阪本が「サヘルにおける牧畜民と農耕民の対立と共生:シミュレーションによる検討」というタイトルで研究の進捗状況に関する報告を行った。この研究では、ニジェール南部をフィールドに、現地の農耕民(ハウサ)と牧畜民(フルベ・トゥアレグ)との共存関係に深刻な影響を及ぼしている家畜による食害(crop damage)のリスクの評価とその低減のための方策の検討を行うことが目指されている。報告では、2019年9月の現地調査で得た牧畜民の放牧キャンプの分布などに関するデータが紹介され、こうしたデータを、衛星画像の判読やシミュレーションなど他の手法と組み合わせることで、食害のリスク評価を広域的に行いうることが示された。
発表後の質疑応答では、現地の農耕民と牧畜民の生業や相互関係のあり方を問う様々な質問が寄せられたほか、「牧畜民vs農耕民」といった表象やカテゴリーを無批判に所与とすることに対して注意を促す意見も提起された。
阪本拓人