[班研究会] 開発・生業班第8回研究会/国家・市民班第7回研究会(2018年11月3日開催)

日時:2018年11月3日(土)11:30-14:00
場所:京都大学稲盛財団記念館小会議室2

報告タイトル:「戦間期南アフリカ連邦をとりまくFed-Farmsの農産物流通ーー南アフリカの労働集約型工業化論に向けた一史的考察」
氏名:宗村敦子
所属:関西大学経済政治研究所

近年経済史で着目される労働集約型工業化論では、プロト工業化から近代工業の導入を一つの特殊な発展経路とする「経路依存性」について議論がある。アフリカ史との整理にはいくつかの課題があるが、本研究ではその一つ、戦間期にアフリカの地域産業を支えた国際市場があったのかという側面からこの問題に取り組んでいる。

そこで旧南アフリカ連邦で展開した果物缶詰産業を事例に、その輸出市場の特徴を説明した。同産業は1930年代を通じて多様な輸出先を持っていたが、イギリス帝国外との取引関係は一貫して大きくなっていった。つまり、保護貿易化の時代になぜそのような輸出構造になったのかという問題があった。ここでは南ア、オーストラリア、ニュージーランドの生産者組合が設立したFed-Farmsとの取引関係から、同産業の南半球の季節性を利用したビジネス構想の一端を論じた。

文責:宗村敦子

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