[班研究会] 開発・生業班第7回研究会(2018年10月1日開催)

日時:2018年10月1日(月)13:30-15:30
場所:京都大学稲盛財団記念館小会議室1

報告タイトル:The thought of the universal and the rarity of emancipatory dialectical thought: Some African examples
氏名:Michael Neocosmos
所属:Rhodes University, South Africa

発表者のマイケル・ネオコスモス氏は、本プロジェクトの海外協力者の一人であり、2017年11月24日~26日に南アフリカ共和国・グラハムスタウンで実施した第7回「アフリカ・フォーラム」では基調講演をおこなっている。また、2016年に出版した著作「Thinking Freedom in Africa: Toward a Theory of Emancipatory Politics」(Wits University Press)は、2017年の「フランツ・ファノン賞:著作部門(Frantz Fanon Outstanding Book Award)」を受賞している。

本報告で同氏は、上記の著作で展開した主張―人間を解放するための政治(emancipatory politics)はいかにして可能になるか―の一端を解説し議論した。同氏はまず、特定の文化における思想や行動が、文化や時代の枠を越えて広く共通に理解され共感されるという事態、すなわちある種の行為や思想は特定の文化には還元できない普遍性を有することを指摘する。そしてそのような思想とは、氏によれば「justice」や「truth」に関するものであり、「human equality」と普遍的な「humanity」に関するものである。ただしこの普遍性とは、国家という統治システムが誕生して以来、西欧を中心として主張されてきた「justice」や「truth」の普遍性とは本質的に異なっている。このような認識のもとに構想される政治哲学こそが人間の解放を可能にするのである。

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