日時:2018年1月27日(土)11:30~14:30
場所:京都大学 稲盛財団記念館3階中会議室
報告タイトル:アフリカの子どものための本がなぜ必要か?:ロンドンとダカールでのインタヴューより―
氏名:村田はるせ
私は西アフリカのフランス語公用語圏諸国とくにセネガルでの児童書の創作と出版に関心をもち、作家、挿絵画家、編集者などへのインタヴューを行っている。この地域での出版・流通は困難を極めるが、作家や挿絵画家たちはそれでも、伝統的な価値観やものの見方、アフリカの過去を描き、子どもに届けたいと考えている。西洋の情報や映像がますます大量に、強力に流入してくる現代において、彼らは子どもたちに出身地の社会や文化、歴史を知らせ、〈自分とは誰か〉と考えさせようとしているのである。またインタヴューからは、彼らが伝承を含む空想の物語を本にする意味をどう考えているかも浮かび上がった。どうやら彼らは子ども時代に伝承を聞いた体験から、物語は未知の体験を内面に蓄積させたり、ひとつの主題について繰り返し考えさせたりする役割を果たすと、自然に学んできたようである。彼らにしてみれば、子どもは物語を通して大人になる日のための心の準備ができるのである。日本では絵本を含めて物語の本は数多く出版されているが、そうしたものを子どもに読ませる意味をアフリカの創作者たちは教えてくれるのである。
村田はるせ
また、班員でアフリカ潜在力に関するブレーンストーミングを行った。